- [No3] 市販の12.9と刻印のある六角穴付ボルトに三価クロメートメッキしたいのですが?
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a 強度区分12.9のボルトには電気メッキを絶対しないで下さい。
ベーキングをしても遅れ破壊の危険性があります。
ボルトメーカーに、メッキ用(強度区分10.9)に処理してもらって下さい。b 強度区分10.9のボルトには水素脆性除去の為に必ずベーキングをおこなって下さい。
しかし六価ユニクロやクロメートからのつけかえはおすすめ出来ません。c 強度区分8.8以下のボルトには一般的にはベーキング処理はおこなっていない
事が多い様です。
別製作品については、材質等諸条件もあり使用者、ボルトメーカーとの打合せが
必要な場合もございます。
水素脆性(すいそぜいせい)とは
皆さんは学生時代に元素の小さい順を『スイヘリーベボクノフネ』って覚えた
記憶ありますよね。その一番小さい元素の水素が鉄を中心にその他の金属
(NiやMo等)の結晶である鋼の中に、めっき処理や酸洗いの時に入り、鋼を
脆くし、割れの原因になる事です。
ベーキング処理
水素脆性の原因となる水素を取り除く処理の事です。
メッキ後できるだけ早く、200℃前後で2〜4時間程度加熱し水素を放出させます。
※水素脆性のおこらない表面処理
ダクロダイズド処理、ジオメット処理(ノンクロムダクロ)であれば
強度区分12.9のボルトにも処理できます。