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[No16] m8用のスプリングワッシャーへの電気メッキはベーキング処理が必要ですか?

皆さんよくご存知のスプリングワッシャー(ばね座金)と言っても、[No12]でご紹介した
特殊用途鋼のばね鋼材であるSUPを使用しているわけではありません。皿ばね
座金や皿ばね類にはSUPや今までよく登場してきました機械構造用炭素鋼(SC
材)が使用されています。
スプリングワッシャーはJISG3506の硬鋼線材の中でSWRH57A,B~77A,Bの使用を
JISで規定されています。化学成分を下記にJISより抜粋しておきます。

単位%
  C Si Mn P S
SWRH57A 0.54~0.61 0.15~0.35 0.30~0.60 0.030以下 0.030以下
SWRH57B 0.54~0.61 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.030以下
SWRH62A 0.59~0.66 0.15~0.35 0.30~0.60 0.030以下 0.030以下
SWRH62B 0.59~0.66 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.030以下
SWRH77A 0.74~0.81 0.15~0.35 0.30~0.60 0.030以下 0.030以下
SWRH77B 0.74~0.81 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.030以下


非常に高カーボン(炭素)の材料ですね。当然、材料特性を活かすために、
焼入れ、焼戻しをおこなう為ベーキングは必要です。が現行ではM16用以下
(弊社主力メーカー)の材料は伸線工程でパテンチングと言
う熱処理をおこなう事
によって硬く、粘りのあるばね性に富んだ材料に
するので、スプリングワッシャーに成形後改めて焼入れ、焼戻しはおこなわないので、
めっき工程でベーキングは必要有りません。この件に付いてはJISB1251 
ばね座金の10項に『パテンチング処理材を用いた場合は、もろさ除去の処
理を省略してもよい。』
と明記されています。

但し、全てのメーカーがパテンチング処理材を使用しているわけ
 ではないのでご確認が必要です。

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