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疲労破壊 |
遅れ破壊 |
現象 |
静的荷重を受けているボルトが振動や曲げ荷重を繰り返し受けるとその荷重が弾性域内であっても、その後突然破断します。 (動的疲労破壊) |
安定して静的荷重を受けているボルトが時間の経過と共に一定の荷重内において何の前兆も無く突然破断します。 (静的疲労破壊) |
原因 |
ボルトが振動等の動的荷重を繰り返し受けているうちに、ボルトの一部に肉眼では発見出来ない様な微細な亀裂が入り動的荷重の繰り返しにより亀裂が広がり荷重に耐えきれなくなり破断します。 |
基本的には水素脆性による材質の脆化現象です。一般的に高強度のボルトほどこの可能性が高くなりますので注意が必要です。 |
破壊箇所 |
殆どがねじ部で特におねじとめねじがはめあってる第一山あたりでの発生が多いとされています。 |
不完全ねじ部、おねじとめねじがはめあってる第一山部、頭部首下のR部分等応力が集中しやすい部分 |
対策と注意点 |
- 細径のボルトを沢山使用する。
- 細目ねじを使用する。
- 熱処理後に転造したボルトを使用する。
- おねじとめねじのはめ合い長さを長くする。
- 適正な初期締付けをおこなう。
- 増し締めの実施。
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基本的に水素脆性が原因であるため、水素が入らない様にする、又除去する事です。
- 鍍金工程で入る事が多いので、ベーキング処理を必ずおこない、強度区分が12.9以上のボルトには鍍金をしない事。
- 使用環境により、電食等の腐食による水素脆性の可能性もあるため塗装や油塗布等の防錆処理を十分におこなう事が必要です。
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